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デルフォイの神託

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【参考:日経サイエンス 2004年1月号】

原題: Questioning the Delphic Oracle

2000年まえ、宗教と科学を調和させたいと考えプルタルコスは記録を残していたが、彼の知見と勇気は今再び科学の光があたり、その正当性を明らかにした。

アポロンの神官であった彼は信仰心の篤い保守派に対抗しなければならなかった。保守派は神が奇跡を行うために地中から噴き出す天然ガスなどという考えを認める訳には行かなかっただろうことは想像に難くない。

しかしプルタルコスは神々が腐敗した移ろいやすい現世のものを使って神託を授けなければ成らない...と考えた。

神といえども人間の声で予言を語らねばならず、自然界のものを刺激剤として使って人間に霊感を与えたことになる。このように古代ギリシャの哲学同様、宗教心を強く持ちながらも、科学的探究心を捨てようとはしなかったことが解かる。

このことから学べること :

現代科学をもってすれば、古代の珍奇な現象は解明し得るという月並みなメッセージではない。それよりもっと重要なのはギリシャ人のように広い心と姿勢で問題の解決にあたることで、現代のわたしたちもきっとより大きな研究成果が得られる...と調査に当たった科学者たちはコメントしている。