◆第3回 殉教と潜伏/浦上四番崩れと近代日本の夜明け
                                  写真集
講師 片岡千鶴子 長崎純心大学学長
実施日時 2006年6月17日(土)
企画内容
大浦天主堂は、現存する日本最古の洋風天主堂として国宝に指定されている。しかしその真の価値は、再渡来した宣教師と潜伏キリシタンの出会い、「信徒発見」が、ここで行なわれたことにある。それは「サンタマリアのご像はどこ?」という問いから始まった。日本のキリシタンはこの時を境に潜伏の時代から、世界的なカトリック教会とのつながりを回復、7世代250年の信仰伝承と「復活」を可能にした歴史を検証する。「浦上四番崩れ」は殉教と迫害の時代を通して伝承された信仰の真実を証したものであり、浦上キリシタンが信仰と良心の自由を守って貫いた無抵抗の抵抗が、やがて日本に思想の自由という近代化をもたらす力になったことについて、日本キリスト教史学会理事で長崎純心大学学長の片岡千鶴子様に語っていただく。

片岡千鶴子 長崎純心大学学長〉
聖心女子大学史学科卒業。上智大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了、キリシタン文化研究会理事、日本キリスト教史学会理事。
主な著書「八良尾のセミナリヨ」他。

●ミニさるく
14:50 大橋電停集合
サンタクララ教会跡〜ベアトス様の墓〜ザビエル堂〜如己堂(以上ガイド付き)
 〜永井隆記念館(永井館長のご案内)
17:00 一旦解散〜自由行動
18:30 国宝・大浦天主堂集合

●講話
19:00 「殉教と潜伏/浦上四番崩れと近代日本の夜明け」(片岡千鶴子様)
20:05 休憩

●音楽の夕べ
20:15 「生月のかくれキリシタンが声に出して歌ってきたオラショとは」
1 らおだて (原曲 :Laudate Dominum)2 なじょう (同 :Nunc dimitttis)
3 ぐるりよーざ (同 :O gloriosa)
  ご案内:中園成生 生月町博物館 島の館学芸員
      野下千年 カトリック中町教会神父
  オラショ:生月壱部地区の皆さん
  原曲歌唱:長崎カトリック合唱団
 「潜伏と殉教」の時代(江戸時代)は、その潜伏期間が長くなるにつれて、イエズス会宣教師によって教えられた祈りが潜伏キリシタンの間で口伝えで広められました。禁教が解禁された後も、外海、五島、平戸・生月では、禁教当時の信仰を守った人々がいてかくれキリシタンとして現在に至っています。
 オラショは、その人々が行事にあたって唱えるもので、それを含め、長崎「かくれキリシタン」習俗は国選択無形民族文化財に指定されています(選択年月日:昭和40年3月)。
 第三部では生月島、壱部地区の皆さんをお迎えしてオラショ3曲披露していただく予定です。いずれも原曲は16世紀当時の宣教師たちが、母国スペインで歌っていたと思われるグレゴリオ聖歌で、当日は長崎カトリック合唱団によって原曲の方も併せて披露いたします。